2010年3月3日水曜日

ドイツ  ダルムシュタット

訪問年度は最初ではないのですが、このところ書いている
原子物理に関係の深いところから始めてみます。
ここは、
コペルニシウム(112)とマイトネリウム(109)を合成した
ドイツ重イオン研究所(GSI)の所在地です。

同じようにここが合成した原子番号110の元素(ダームスタチウム)
は(ダルムシュタットDarmstadt+ium)
から名前をとられており、元素に名前のついた唯一の都市です。

ダルムシュタットは、日本でいえば筑波学園都市の様な感じで、
研究機関や大学が存在します。
GSI以外ではヨーロッパ宇宙管制センター(ESOC)という施設が有名です。

GSIはフランクフルトとダルムシュタット中心部との中間ぐらいに位置し、
ESOCは中心街から市電のトラムですぐという距離です。

ダルムシュタットは第二次大戦末期に爆撃により徹底的に破壊された街を完全復旧させた都市という
意味で、日本の都市と共通点があります。きっと、まだ地下を掘れば、たくさんの不発弾がでてくるのではないかと考えてしまいます。 日本の古墳を発掘したら、鉄剣が出土したように、将来何かのおりに
地中深くから不発弾が発見されるシーンを想像してしまいます。


ちょうど、訪問した時はクリスマス直前の時期で、
市庁舎前の広場には、いろいろなお店が立ち並んでおり、
クリスマス気分を満喫した覚えがあります。
いかにもドイツ的なクリスマス前なのだと思います。
市内のあちこちのお店で、オーナメントを沢山買い込んで
今でも、クリスマスになるとツリーに付けて飾っています。
ヨーロッパのクリスマス前夜の雰囲気は、また、味わってみたいものです。

ESOCを訪問した時は1997年12月でしたが、1996年6月4日に
アリアン5の1号機の爆発事故があり、このときの搭載ミッションだったESAの
太陽圏探査小型クラスター衛星
Cluster-Ⅰ 4機が失われました。
ESOCで
はこの衛星の管制を担当する予定だったのですが、訪問した時には、
なんとアリアン5の爆発現場から回収された、壊れたクラスター衛星が
管制室そばに「必ず成功させる!」というシンボルとして無造作においてありました。

このリベンジ衛星Cluste-Ⅱは4年後の2000年夏に世界初の4機での
隣接編隊飛行衛星として実際に打ち上げられたました。

世の中失敗はつきものです。
失敗を失敗とせず、前進するところに失敗の意味があるように思います。
まさに七転び八起きの精神ですね。

この時は、ここに行く前に97/12/07に日本からフランスのトゥールーズにドゴール空港経由で
行き、97/12/10にトゥールーズからフランクフルトに飛び、フランクフルトからアウトバーンを
エアポートバスで南下してダルムシュタットに入りました。97/12/10-12/13発
ダルムシュタットからはフランクフルトへ戻り、スイスアルプス、アドリア海、地中海
サハラ砂漠の上を通り一路ケニアのナイロビに向かいました。97/12/13夜着、
97/12/14に大きな荷物を置きナイロビからマリンディに移動しました。

つぎは、トゥールーズを機会を見て書いて見ます。
写真はwikiから拝借しました。

2 件のコメント:

  1. ダルムシュタットという都市を改めて認識しました.
    ひとつの研究所から3つの元素が発見されるとはすごいですね!

    ESCOのような国際組織がベルギーやフランスなどの戦勝国やスイスにではなく,ドイツにあるのは,ちょっと意外です.

    フランクフルトからカッセルに向かう鉄道沿いにある無人駅のそばのホテルで,3日間缶詰で自動化の議論をしたのを思い出しました.

    トゥールーズ編,楽しみにしています.

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  2. カッセルってフランクフルトの北ですね。
    ドイツはまたゆっくりといってみたい国です。

    自動化ですか・・・土曜日に打ち合わせがあり
    自動化・自律化というテーマでした。
    この間の京都もこれでした・・・・

    トゥールーズ編書き出しました!乞うご期待!
    意外な話題がいっぱいです。

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