2010年3月6日土曜日

落語&みかん

はて?何のことでしょうか?
寿限無っていう落語はご存知ですよね。

寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
やぶら小路の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助

すこし違う言い回しもあるようですが・・・・
さて、その意味は
「寿限無」は、死ぬ時がないということ
「五劫のすりきれ」は、一劫とは、三千年に一度、天女が天下って、
         下界の巌を衣でなでるのだが、その巌をなでつくして
         すりきれてなくなってしまうのを一劫という。
         その期間はおよそ40億年。
         それが5回擦り切れる、つまり永久に近いほど長い時間のこと。
         別の落語では、天女が三千年に一回、須弥山に下りてきて羽衣
         で一振りして、須弥山がなくなるまでが一劫である。
「海砂利水魚」は、海の砂利も、水にすむ魚も取り尽すことが出来ない
「水行末、雲来末、風来末」は、水、雲、風の行く末いずれも果てしがない
「食う寝るところに住むところ」は、人間、衣食住のうち、1つが欠けても生きてはいけない
「やぶらこうじのぶらこうじ」は、藪柑子(やぶこうじ)という木があって、まことに丈夫・・・
「パイポパイポ~」は、昔、唐土のパイポ国のシューリンガン王とグーリンダイ后
         の間に生まれたポンポコピーとポンポコナーという二人のお姫様
         が大変長生きをした
「長久命の長助」は、天長地久という文字で読んでも書いてもめでたい
        で、それをとって長久命。長く助けるという意味で長助


という、有り難いお経のような名前のお話しですが・・・
さてミカンは何処???
種明かしをすると、「柑子」がそれ!
藪柑子はちょっと感じが違います。別名「十両」 確かに「万両」に似てます。



柑橘の柑のほうです。

柑橘類は中国から伝来したとされています。
静岡県のホームページによれば
奈良時代から平安時代初期に・・・柑子(こうじ)、ゆず(香酸柑橘)、
鎌倉時代から室町時代に・・・橙、九年母

九年母が下の写真



となっています。
吉田兼好の時代
徒然草の一節に「・・・ かなたの庭に、大きなる柑子の木の枝もたわわになりたるが、まはりをきびしく囲ひたりしこそ、少しことさめて、この木なからましかばと覚えしか」とあるそうで,
1313年10月頃の話で、柑子の木が枝もたわわに実っているが、周りを厳しく囲っているので興ざめしたとのTwitterがのこされているようです。

柑橘の橘
であると言われています。
この橘は例の「右近橘、左近桜」の橘です。
ついでに、昔の文化勲章は桜だったそうですが、
昭和になって常緑の橘になったとか
もう一つ、無駄知識・・・九年母って珍しいですよね。
調べてみると、この名前のビストロが小樽にありました。
http://r.tabelog.com/hokkaido/A0106/A010601/1007805/

江戸時代には紀州の紀伊国屋のお話もあるくらいで、紀州のミカンは
すでに食用の柑橘としての代表格になっていた訳ですね。

柑橘は日本の伝統色にも名前を残しています
web色見本 原色大辞典 和色大辞典 465色などを見ると
柑子色 こうじいろ
http://www.colordic.org/colorsample/2203.html
橙色 だいだいいろ
http://www.colordic.org/colorsample/2241.html
橘色 たちばないろ
http://www.japan-post.com/color/53/03.php

今の柑橘類は
社団法人 農林水産技術情報協会のHPに写真入りで紹介されてます。

でも、ここで? 「デコポン」って無い!!
写真を見ると、「不知火しらぬい」ってのが良く似ています・・・
と、疑問を持って調べてみると
当り!!!

「デコポン」は最初長崎で栽培したけど、失敗作としてやめ、
その後、熊本の不知火町(現宇城市不知火町)が受け継いで味がいいので、
生産を本格的に始めたのであって、その名は「不知火しらぬい」と言うのが正しい!

「デコポン」という名称は、熊本県果実連が商標登録していて、規格があり、
それ以外は使用できないそうで、愛媛のデコポン、広島のデコポン、和歌山のデコポン、長崎のデコポンなどはありえないとか!
でも、さらに調べると、一安心!

たしかに、当初は熊本県産の「不知火」以外には「デコポン」の名称を付ける事が禁止されており、産地毎に別の名前が付けられ市場や消費者の混乱を招く結果となったため、熊本果実連と日本園芸農業協同組合連合会(日園連)との間で商標権使用許諾契約が締結されたそうです。この後は、
日園連傘下の農協が出荷する「不知火」のうち糖度13度以上、クエン酸1.0%以下の基準をクリアしたものには産地にかかわらず「デコポン」の名称を使用して良い事になり「デコポン」の名称が全国統一ブランドとして幅広く普及したようです(以上wikiの記述から)。

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