2010年3月30日火曜日

4月ばか

4月バカ・・・「人はみなバカを愛す――お茶の水女子大学名誉教授外山滋比古氏」
というコラムを日経の夕刊で読みました。

「気兼ねなしに威張れる相手がいてくれないと淋しくなる。
バカにできる人がいないと自信がなくなり、自分を見失うようになる。
バカなことが言えるバカ、バカを演じてくれる人がほしい。」
「だれだってバカが好きにきまっている。賢人が好きなのは普通ではない。
人みなバカを愛するのである。  ひっぱりダコのバカはいつも不足がち。
昔の王侯貴族支配者はプロのバカをかかえるぜいたくをした。
fool(フール、バカ)で、わが国の幇間(ほうかん)、茶坊主の類だ。」
とありました。
昔からフールやクラウンに興味がありました。
ウィリアム・ウィルフォード「道化と笏杖」
道化論のバイブル・・・なぜか我が家の本棚に鎮座している。
いつか読もうと思って数十年の積読状態。

フール:もっとも広義な意味で、一般的な道化。      
逆説的に「賢いフール」などという表現もある。
クラウン:サーカスのピエロ的な側面が強い、狭義の道化。     
 フールと違い、逆説的な賢さは持ち合わさず、愚鈍さが強調される。
ジェスター:貴族に仕える宮廷つきのフリークス。
ピエロ:奇抜な風貌を持ち、狂言回し的な役割を演じる。

道化は笏杖を持っている。それは偽王(モックキング)としての証であり、
男根のシンボルであり、鏡であり、分裂したもうひとりの自分なのだそうな?
何と精神分析的な分析なんでしょうか!!

リアのフールの皮肉に満ちた言葉はリアの核心を幾度となく突いた事だろう。
そういえば、黒沢映画ではピータがこの役回りでしたね。

世の中に必要なFULL・・・
最近聞いている中島みゆきの「Nobody Is Right」の歌詞ではこんな箇所があります。
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もしも私が全て正しくて  とても正しくて  
周りを見れば世にある限り全てのものは 
私以外は間違いばかり
もしもあなたが全て正しくて  とても正しくて  
周りを見れば世にある限り全てのものは  
あなた以外は間違いばかりつらいだろうね  
その1日は嫌いな人しか  
出会えない寒いだろうね  
その1生は軽蔑だけしかいだけない
正しさと正しさとが  相容れないのはいったい何故なんだ
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この人にとって周りの人は皆FULL?
でもこのFULLは少しも心を癒してくれないのですね。

4月バカはどんな楽しみ方ができるかしら?

2 件のコメント:

  1. おバカキャラが受けているのも,その一端かもしれませんね.

    みゆきの歌,これは初めて聴きました.一瞬ゴスペルと思うリズム感.100%正しい人はいないし,そんな人ばかりなら,無味乾燥な人生.みな,神の前では未熟な存在,でもそんな存在を愛おしんでいるのかもしれません.

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  2. 出だしはどことなく、「さだまさし」の関白宣言を思い出す感じしませんか???!!

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