2009年7月3日金曜日

日産のブルーオーシャン戦略あるいはEV




上の写真は横浜開港150年祭の「ゆず&キマグレン(ゆずグレン)」のライブ風景&夜景です。


先日5月31日、偶然日曜フジテレビ 朝の報道番組「報道2001」で見た(HV VS EV:ハイブリッドvs電気自動車)の特集以降EV/日産のリサーチモードに入りました。本日までの結果をまとめてみました。

・日産はHVをやめEV一本に絞りこみブルーオーシャン戦略によるEV市場の先行者利益 を目指しているのは既定の事実。

・このための最大の課題はインフラ整備(ガソリンスタンドのような電気自動車充電設備)である。 この課題のパイロット都市として横浜/神奈川県を選び、地方自治体を巻き込んでの 展開をすすめている。 この中で、横浜への本社移転を位置づけているようである。 (ところで、優遇で入手した土地建物はすでにアセット売却の候補となっているとの昨年12月の報道以降はどうなっているかな? 少なくともこの売却益は数百億?2007年の旧本社の会計上の売却益計上は12億円でしたが・・・  
横浜のバーではこの行為かなり評判が悪かったです・・・)

・だが、国家レベルの方針がなければ、全国規模のインフラ整備は不可能であり、国内ですらこの 状態であり、ましてや海外では・・・? 日産の政治力がキーポイントになる。この点神奈川県知事 の政治力、関連国会議員との連携などはルノー色の強い日産の政治に強い役員は???OK?? 少なくとも、米国でのEV生産の戦略はこの点で見るべきものがあったと思う。

・現在日産のEVのスタイルはあくまでもモデルカーであり、量産型はこの8月に発表されるらしい。 5ドアファミリーだとの噂しきり(5月のノルウェーのEV24のPierre.Loingのプレゼンの内容からの推測)。
・6月に入ってすぐに、課題のバッテリがベタープレイス社の交換型のバッテリインタフェースになるとの記事があった。 http://www.webcg.net/WEBCG/news/n0000021342.html

・慶応の清水研の 「Eliica」 (エリーカ)プロジェクトは先行研究成果としてとても面白いです。

・ベタープレース・ジャパンの社長は、SAPやルイ・ヴィトンのCEOをやっていた藤井清孝氏 ベタープレースのビジネスモデルはITを活用したバッテリインフラ設備全体の最適化を図る 面白いモデルのようである。電力インフラ、バッテリステーションの蓄電、バッテリセルへの 充電、充電済みバッテリセルの流通、EVへのバッテリセル交換指示等のエレメント間の 最適化をITと車載インテリジェント機器を使って実現するものらしい。
このビジネスモデルは興味深く、今後さらにリサーチ要である。

・実用車バッテリをリースとし、交換型のシステムにする事は普及に向けて必須の判断 だと思われる。

・価格については、当初は国の補助、自治体の補助などで50%程度をカバーし、HVとの価格 差を埋めるようである。車体構造やモータなど既存技術の応用であれば、バッテリの問題を 除けば価格低下は可能では???と素人目には見えるのだが、車体の軽量化と相反パラメータ である安全性確保、空力特性の改善などバッテリーがらみの問題以外は見通しはあると 思うが、少なくと販売価格200~150万程度にできなければ勝ち目はない。

・ブルーオーシャンは良いが、いつまで今のガソリン車オンリーでできるのか??? 会社の経営として頑張れるのかが見えてこない。 最近のエコカー減税対応広告では「ハイブリッドばかりがエコカー」ではない!と CMを流しているが、数字的には 6月および1月から6月の累計の前年比 
日産 48,287 (▲20.7) 292,020 (▲25.0)  
トヨタ 110,677 (▲11.4) 583,450 (▲26.4)  
ホンダ 50,886 ( ▲7.1) 281,861 (▲15.0)  
を見ると、あきらかにハイブリッドにやられているのは明白。 
つい最近は「赤塚不二夫のおそ松くん」がでてるCMは 日産だったかな??「おそまつ」??は自己批判か???

・たとえEVが出ても、数年はほんの一部の都市が対象になるのは明白、 携帯電話のように普及するまでの成長カーブは????どうなるか?

・一般ユーザ・市場の受け止め方は? きっと現状ではエコの強みよりも利便性の悪さが目立つユーザ評価であろう。 実際の市場調査の結果や如何に???

・携帯電話の初期のころの、利用可能地域が限定されていたころの携帯電話の評価レベルか? このあたり、携帯電話の市場調査と比較してみるのは面白そうなテーマではある。

・携帯電話のように小型化、利用可能地域の拡大による爆発的な普及パターンが容易に想定できる。

・EVの先行者利益が見込める期間はどの程度か? 燃料電池車FVの実用化時期と実用化後のEV VS FV は? 燃料電池の場合は燃料タンクと反応熱処理の問題があり、これは今の車と同じかな???・・・。

・燃料電池の車搭載はアポロ13号のような燃料電池爆発のようなリスクはないのか? 水素貯蔵、酸素貯蔵の安全性???は 高圧ガスタンクは必須だろうし、水素の燃焼性の良さは逆に事故発生時の問題に 直結する。このあたり「衝突事故と水素ガス漏洩の可能性」という NEDOの報告書(http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/nenryo_denchi/chapter0403.pdf) を見ると、タンク強度の安全性を根拠に楽観的な検討結果を述べているが??ホント??

・ともあれ、日産にとっては「社運をかけた大博打」的な発想はないはずで、 十分に戦略的な検討を加えての決定であろう。 大博打ではないにしても、「社運をかけた」まではそのとおりの様に 思えるので、今後とも興味のある事柄である。
がんばれNISSAN

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