昨日はサントリー美術館「一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子」展最終日に行ってきました。会場は、ま空いているほうでした。
いつものように、入ると案内の人に4階へ行くように促され、エレベータで4階へアップ!
入口で出展リストをget.
世の中に、幕末期の薩摩で作られた薩摩切子と認定されているものは、現在150点しか存在しないそうですが、そのうちの120点近くがこの展覧会に出展されたそうです。
展覧会は
4階フロアー
第1章:憧れのカットガラス
第2章:薩摩切子の誕生、そして興隆
3階フロアー
第3章:名士たちの薩摩切子
第4章:進化する薩摩切子
という4ブロックの構成展示がされていました。
最初のブロックでは、薩摩切子誕生まえのヨーロッパのカットグラス(スコットランド、イギリス、ボヘミア)が展示されていました。この展示の中では、ボヘミアのものが目を引きました。これらの展示の多くはサントリー所蔵品でした。
次のブロックは、薩英戦争で工場が破壊されるまでの期間(1846~1863)の薩摩切子が展示されていました。やはり興味のあるものはここに多く展示されていました。
色は紅色が量的に圧倒的に多いですが、展示の中で印象に残ったものは、濃い藍色、紫色、緑青色の切子でした。薩摩切子の特徴としてよく言われるのは「ぼかし」と江戸切子にはない柔らかさですが、これらの色も重要なポイントのように思えました。
第3のブロックでは、薩摩から外に出て大名家に保存されていた薩摩切子の展示です。
この中では、篤姫の婚礼道具となっていた「脚付き盃」7つ、「雛道具(お雛さまの小道具)」、「藍色3重盃」などが目を引きました。
第4ブロックでは、薩英戦争後の薩摩切子の作品です。
紫色の「ちろり」(お酒のお燗用)でした。全体としては満足できる展示でした。展示品の多くがサントリーの所蔵品であったので、今後もサントリーで見ることが出来るものですので、次の展示のめどがない訳ではないという点は期待しています。
藍色3重盃と雛道具の写真をカタログから転載します。
ガラスは鉛ガラス(クリスタルガラス)です。鉛ガラスは融点を下げる工夫で、且つ透明度を上げるものです。色切子の場合はこのベースに色ガラスを被せ、カットする訳です。
展示品の多くの紅色は当時は酸化銅化合物を使った発色だそうで、藍色はコバルト、紫色はマンガンの酸化物を使って発色するそうです。 現代は紅色発色は金を使っているそうです。銅の紅色は深い紅色です。どうですか?ガラス工芸は?陶器のやきものと同じくらい面白そうですが・・・。
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