今回の講演会の参加初日夕方に面白い特別講演がありました。
お題は「京都花街の経営学 舞妓さんの人材育成と一見さんお断り」というものでした。講師は西尾久美子さんという京都女子大の准教授の方で、さすがの和服でした。単衣で色は■■■こんなもんでした!
帯は黒で表に満月、うらは花という文字でした。この手のヤツはよく銀座のママさんが、不祝儀のときに着ていたりするパターンしか知りませんでしたが・・・・・。
実はこの講義の元は、この人の博士論文のテーマだったとのこと、この論文はすでに
東洋経済新報社 (2007/09) から「京都花街の経営学 (単行本)」として出ていました。
この講演では、京都花街を350年間続いているサービスビジネスの場として捉え、それを支えるビジネスモデル(置屋、お茶屋、それを支えるサービス提供業者:料理屋 や道具屋など)と舞妓・芸妓のプロフェッショナル育成システムを経営学の視点から説明していました。お座敷は一つのプロジェクトチームとして、その場に行くまで誰がメンバーか分からない場合もあるので、プロジェクトチームリーダとなる芸妓さんが、舞妓さんを見ただけで、直ぐに何年目の舞妓さんかが分かるようになっているのだそうです。
そのポイントは
ポイント1:舞妓の初期は「割れしのぶ」という髪型で、2~3年後に「おふく」という髪型になるそうで、髪飾り(舞妓さんのトレードマークのようなビラかんざしは1~2年目の舞妓さんだそうです。。「割れしのぶ」に結っている年少のうちは、まげの部分にも飾りをつけ、ぶらと呼ばれる房の付いたかんざしが付けられます。これを外すにはあねさん舞妓とお母さんの了承が必要です。年数が経つにつれ、かんざしも地味になっていきます。
ポイント2:帯揚げ(経験の浅い子は帯揚げの出ている部分が多く、経験年数に応じて少なくなる)
ポイント3:肩の部分の模様の量(多いほど経験が少ない)
ポイント4:口紅(最初は下側のみ)
髪型が「おふく」となると、口紅も上下に紅をさし、かんざしもあまり派手でなくなり、また、衿の色や着物の柄なども年齢や経験に合わせ徐々に落ち着いたものになっていくのだそうです。
この情報を元に、プロジェクトリーダの芸妓のお姉さんは、一瞬にして、どの舞妓をどのように配置するかを判断するのだということです。
さすがのシステムです。
花街のなかでは、さまざまな情報の共有化がなされており、育成システムの相互支援や教育機関としての歌舞練場や女紅場という物が機能しているのだそうです。また芸技能の評価システムなども整備されているそうです。
舞妓さんは20歳を過ぎたころに、芸妓さんになる人と、自分でビジネスをする人とに分かれるそうです。
なかなか花街の基礎知識が使えそうでした。
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